民事再生手続きでは所有する財産を残せます。

破産手続きでは原則として所有する財産を処分しなければなりませんが、民事再生(個人再生)手続きでは原則として所有する財産を処分する必要はありません。

例えば仕事や通勤に車が必要な方は車を残しつつ借金の整理を行うことができます。

このように民事再生(個人再生)は車や預貯金等の財産が比較的ある方が借金の整理を行うのに便利な方法であるといえます

但し、以下のような制限がありますのでご注意ください。

1 再生計画による返済総額は財産の総額を超えなければなりません。

民事再生手続きは、借金を1割から2割程度に圧縮し、これを3年又は5年で分割して返済するという再生計画を立て、この計画に従って借金の完済を目指す手続きですが、この再生計画案における弁済総額は車やその他の預貯金等の財産の総額を上回る金額でなければなりません。

例えば、借金の総額が1000万円ある方は、その2割にあたる200万円を3年又は5年で返済する再生計画案を立てることになりますが、このとき車や預貯金等の総額が300万円であれば、返済する総額は300万円で設定しなければなりません。

2 ローン支払い中の車を残すことはできません。

ローン支払い中の車は所有名義がローン会社に残っており、民事再生手続きを行うことによってローン会社から車を引き上げられるため、結果として車を残すことはできません。

仕事の都合等でどうしても車が必要な方は、援助してくれる親戚等に車をローン会社から買い取ってもらい(ローン残額を支払ってもらい)、貸してもらうといった方法があります。

 

このように民事再生手続きでは車などの財産を処分しなくてよいというメリットがありますが、場合によっては返済総額が高くなりますので、手放せない物がある方や仕事に車がどうしても必要な方は、見込まれる返済総額との兼ね合いで、破産を選択するか、民事再生を選択するかを決めるのが良いでしょう。

 

 


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